無線LANが遅い!不安定!そんな時はまず無線LANの各規格ごとの特徴から理解しよう
正確な調査をしたわけではないので、あくまで感覚値としての話になるが、身近な人達のネット環境や、ご相談をいただく方々のネット環境を見ていると、6割~7割の方が無線LANでネットを利用しているように思える。
なので、無線LANに関する相談や悩みが非常に多いのが現状となる。
特に相談内容として多いのが、速度に関する悩みとなる。
・無線LANにしたら遅くなった。
・高価(高機能)な無線LANルータを購入したのに速くならない。
そんな悩みを抱えた方がとても多い。
まずは、高速無線LANを構築するうえで、最低限知っておかなければいけないことを確認してみよう。
各規格の伝送速度や周波数帯域に関しての詳細は以下のようなサイトを参照。
(興味のある方は確認を!)
http://www.allied-telesis.co.jp/products/list/wireless/knowl.html
http://thehikaku.net/wireless/point.html
http://www.iodata.jp/product/network/info/base/kikaku.htm
無線LANの各規格の特徴について復習
【スピード】
IEEE802.11a : 最大速度:54Mbps
IEEE802.11b : 最大速度:11Mbps
IEEE802.11g : 最大速度:54Mbps
IEEE802.11n : 最大速度:600Mbps
IEEE802.11ac : 最大速度:6900Mbps
見たままだが、IEEE802.11n とIEEE802.11ac が断然速い。
※802.11nに関する詳細は下記サイトを参照。
http://www.infraexpert.com/study/wireless15.html
※802.11acに関する詳細は下記サイトを参照。
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1303/29/news049.html
次に『電波干渉』とは何かを知っておこう
干渉とは、混信的なイメージで構わない。
無線LANでは規格ごとに使用できる帯域(無線通信で使用する道路)が決められているため、誰かが既に利用している帯域で、自身の無線通信を試みれば、帯域の奪い合いが生じ、無線のパフォーマンスが低下してしまう。
例えば、「無線通信速度」を「車の流れ」とし、「帯域」を「道路」と例えると、渋滞している道路では、「車の流れ」は当然ながら遅くなる。
これが簡単に言うと『電波干渉』である。
今普及している無線LANの大多数は、IEEE802.11gの規格で利用している。
難しい話を抜きにすると、IEEE802.11gの帯域は常に渋滞しているイメージとなる。
それに加えて、各規格ごとに干渉しやすい、しにくいが別れている。(下記参照)
そして一番普及しているIEEE802.11gの帯域は元々、電波干渉しやすい規格になる。
IEEE802.11a : 電波干渉しにくい(近隣の無線電波に影響されにくい)
IEEE802.11b : 干渉しやすい(近隣の無線電波に影響される)
IEEE802.11g : 干渉しやすい(近隣の無線電波に影響される)
IEEE802.11n/g : 干渉しやすい(近隣の無線電波に影響される)
IEEE802.11n/a : 電波干渉しにくい(近隣の無線電波に影響されにくい)
IEEE802.11ac : 電波干渉しにくい(近隣の無線電波に影響されにくい)
干渉に関する詳細は下記サイトを参照。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0810/28/news006.html
一番多く使われているIEEE802.11gでの無線LANでは、ただでさえ干渉しやすい帯域なのに、利用ユーザが多いため、電波干渉による速度低下やトラブルを避けることが難しい状況にあるということである。
IEEE802.11gの最大速度(理論値)54Mbpsに近いスピードで、無線LANを利用するのはほぼ不可能に近いと考えてもらっても構わないかもしれない。
※802.11gの帯域は、電子レンジやコードレス電話機等の家電製品とも干渉する。
「PCもルータも新品なのに、全然早くない」
という言葉をよく耳にするが、IEEE802.11g規格での無線LAN利用が大きな原因となっているケースも少なくない。
新品のルータやPCを「車」に例えると、「新車」ということになるが、いくら新車であっても、道路が渋滞していれば、他の車と同様にノロノロ走るしかない。
例え話が下手で申し訳ないが、そういうイメージで考えていただければよい。
このあたりをある程度理解したうえで、無線LANを構築するのと、そうでないのとではだいぶ違ってくる。
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